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HIDって何?をここで解決!


HIDの選び方  〜どこを明るくしたいのか〜

まず、どの部分を明るくしたいか考えます。

ライトはそれぞれ照射範囲の役割分担が違います。
  ・ロービームは車体前方約10〜40mの範囲
  ・ハイビームは車体前方約30〜100mの範囲
  ・フォグランプは車体前方約1〜10mの範囲

このようにそれぞれの照射範囲が異なる構造となっています。特にロービームは走行の際重要で使用頻度の高い部分でもあります。とりあえず明るくしたいという事でしたら、ますはロービームをHIDにする事をお勧めします。

社外品にてカスタムするには、愛車がどういうヘッドライトなのかを知っておかないと始まりません。
ヘッドライトは、ハイビーム(上向き)とロービーム(下向き)で構成されています。

また、大きく分けて2種類あり、左右1灯ずつの2灯式(1本のバルブでハイビーム・ロービーム切り替え式)と、ハイビーム、ロービームが左右独立している4灯式があります。
またプリウス30系のように、右側の中央部の5箇所の小さい丸の部分を、ポジションの反射によってラインのように光らせるライトユニットの仕様もあります。

フォグランプは霧や雨天時など視界が悪い時の為に装備されているものですが、最近のヘッドライトのプロジェクター化やヘッドライトの位置が高くなったことで、ロービームを点灯させても手前が暗闇で見えず、夜間走行に不安を感じる方はかなりいらっしゃいます。

フォグランプの照射距離は手前の1~10mですが、左右への広がりがあり、市街地では歩行者の早期発見など、危険予知に効果を発揮します。

フォグランプのHID化は実用性を向上させるだけでなく、夜のドライブのアクセントになり、ファッション性演出のポイントでもあります。どこを明るくするか決まったら次は愛車のライトについているバルブ(電球)の規格形状を調べましょう。
と、その前にHIDとはどういうランプか知っておきましょう。知ることで商品選びや取り付け時など、様々な時にかなり役立ちます。

HIDとは

HIDランプ (エイチ・アイ・ディ・ランプ、英: High Intensity Discharge lamp)は、金属原子高圧蒸気中のアーク放電による光源で、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプの総称であり、高輝度放電ランプ (こうきどほうでんランプ)とも言います。
電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、白熱電球と比べて長寿命・高効率です。

同じ仕組みのランプでは蛍光灯や、体育館、大規模な商業施設や競技場、ゴルフ場の照明などがあります。

車業界ではHIDの事を「HID」以外に、「ディスチャージランプ」や「キセノンランプ」、「バイキセノン」などとも呼んでいます。

ハロゲンランプとの大きな違いは光の生み出し方になります。
ハロゲンランプの場合はフィラメントに通電しこれを白熱させた光になり、フィラメントが消耗劣化により切れることで点灯しなくなります。

それに対しHIDはフィラメントがなく電極間のアーク放電なので、フィラメント切れを起こす事はありません。

HID発光の仕組みは、車体バッテリーから流れてくる12V(24V車の場合は24V)の直流電流を「バラスト」という安定器で交流に変換し、イグナイターという点火装置で数万Vに昇圧させます。
その電力をバルブのガラス管の球体内部で放電させ科学反応させたものが光源になります。

色と明るさの関係

HIDにする上で一番気になるところが「ライトの色」と「明るさ」でしょう。HIDキットを見ているとよく 6000k や 12000k と目にしますが、

・これは何の数字だ?
・「k」って何だ?
・何て読むんだ?

と思われる方は意外と多く、光度を示すカンデラと誤解され数値が高いほど明るいと思われている方もいます。
この「k」は、「ケルビン」と呼び、色温度の事を指します。

数値が低い方が赤味があり、高くなれば青味が増します。 そして青味が強くなるほど、光量は落ちていきます。
一般的に明るいとされるケルビン数は「4000~8000」の間となります。
重要な部分なので、おさらいしましょう。
1. ケルビン=色(色温度)
2. ルーメン=明るさ(光束)
3. カンデラ=光の強さ(光度)

また、ケルビン数は車検に大きく影響し、車検の規定では6000kまでと決まってます。

ケルビン(k)の色イメージと特徴

ケルビンの基礎知識を得た所で、実際どのような感じの色でどのような特徴があるのかを知りましょう。

4300k
見た目よりも視認性、実用性重視
薄くオレンジが入った色味。純正のハロゲンの色に近い。視認性、明るさは一番。雨天時の視認性も一番。
6000k
見た目と実用性のバランスがいい
真っ白。イメージとしてはオフホワイトのような白。肉眼では4300kと明るさの差は感じられない。車検規定範囲内なので車検に通って、純正と違う色で、実用性もある一番人気のケルビン。ヘッドライトとフォグを同じ6000kで合わせるパターンが一番人気。
8000k
大人の落ち着きがある雰囲気。ほんのちょっと青味があるかないかくらいが丁度いい。
薄く青味が入る事によって、艶っぽい白に見え、ライトユニットとの兼ね合いによっては青味が強く見える事も。若過ぎない落ち着きのあるカスタムを目指すならこのケルビン。
3000k (イエロー)
雨天時の視認性を大幅に向上、車種によってはファッション性もアップ
雨や霧、雪が多い時期に最大限の効果を発揮するイエロー。6000kとの組み合わせがカッコイイ。ヘッドライトを6000kの白で明るく、フォグのイエローで視認性を確保しつつファッション性も兼ね備える。イエローファンも居るほどのフォグ人気色。

HIDの心臓、バラストとは

バラストとは車輌のDC(直流)をAC(交流)に変換し、またデジタルチップで電圧をコントロールし、対になるイグナイター(点火装置)で車輌電圧12Vを2万ボルトを超えるほどに昇圧し、バルブのガラス管内に放電するHIDの心臓部、光を生みだす原動力になるパーツです。

バラストには主に、35Wと55Wの2種類のワット数があります。純正HID仕様車のバラストと同じ定格の35Wが一般的で主流です。より明るさが欲しい場合はハイワッテージの55Wがあります。
ですが55Wは35Wに比べ、消費電力が高い分、バッテリーへの負担も大きくなります。また、光が強い分熱量も上がるため、フォグに多い純正のバルブ定格が低いライトユニットだと、熱の影響や車輌配線の仕様により容量不足の症状が出る場合もあります。

お客様とお話していると、35W=暗いというイメージを持たれている方が多いのですがそんな事はありません。HIDの35Wはハロゲンの55Wより3~5倍ほど明るいのです。

弊社のバラストを明るさ順で示すと

純正ハロゲン55w << HID クラシックバラスト35w < HID スフィアバラスト35w< HID STD / クラシックバラスト55w

となります。
※「<」の個数は明るさの差を表しています。

クラシックバラスト35Wよりスフィアバラスト35Wの方が明るいのは、チップの仕様のグレードが異なるためです。スフィアバラストの方が変換効率に優れロスが少ないため、より明るく発光します。

ここまでのまとめ

ここまでの説明はいかがだったでしょうか。
もうケルビン数とバラストのタイプは決まりましたか?

ケルビン数とバラストタイプが決まったら、後は現車に付いているバルブの規格形状を調べるだけになります。
調べるのは大変そうだな~と思った方!
車検証があれば簡単に調べることができます。ご自身の愛車の年式と形式が頭にインプットされている方は車検証をお手元に用意する必要もありません。早速、適合表を見ましょう!


ただ、ここで2つ注意点があります。
適合表は自動車メーカーが公表している各箇所のバルブ規格形状を元に作成されていますので、下記の場合は現車のバルブ規格形状が適合表と異なる場合があります。
「中古車を購入されている場合、前オーナーさんがライトユニットを純正から社外品に変えられている」
「前期、後期のライトユニットに変えられている」
「フォグライトがディーラーオプション」
「外国車で並行輸入車」
上記は適合表と異なる形状の可能性が高い主な事例です。どれかに当てはまる場合は、バルブ自体に規格形状の刻印がありますので、現車のバルブを手にとって確認していただく必要があります。

話を戻しまして、車検証を手元にどの形状が適合するのかを調べてみましょう。


バルブ(電球)の適合形状を調べる

バルブ(電球)には数種類の規格形状があります。
規格形状にはH1、H3、H4、H7、H8、H11、H16、HB3、HB4、D2S、D2R、D4S、D4R、D1S、D3S . . . など 国産車に採用される主な形状だけでも10種類以上あります。
ハロゲンをHIDに変える場合も、純正HIDのバルブを変える場合も、愛車のライトユニットに付いているバルブと同じ形状のバルブでないと取り付ける事ができません。
という事でまず、自身の愛車のライトユニットに、どの形状のバルブが付いているかを調べる必要があります。
適合形状を知るには、愛車の”年式、形式、グレード”を知るところから始まります。

愛車の”年式、形式、グレード”がわかったら後は適合表で愛車と同じ”年式、形式、グレード”の欄を見るだけ!

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